連載知っておきたいマンション防災の基礎知識

1

マンションこそ
”被災生活の疑似体験“が大切

マンションは地震の際、全壊や半壊などの可能性が低いため、マンション住民が避難所に入れない可能性が高いと言われています。

そのため、もしもの被災生活に備えて、ぜひオススメしたいのが「おうちDEキャンプ」です。

これは、「電子レンジが使えない」「トイレが流せない」といった電気・水道・ガスなどのライフラインが止まってしまった生活を疑似体験するご家庭での防災訓練です。「被災生活に何が必要か」「今ある物はどう利用できるか」を体験することで、実際に被災したときに動じない強い心を育てることができます。

思い立ったらいつでもできるのが「おうちDEキャンプ」のよいところ。ガスや水道の元栓を閉め、電気を止めたらキャンプのスタートです(冷蔵庫などに影響することを避けるためブレーカーは落とさず、プラグを抜く)。

まずは、食事。卓上コンロとペットボトルの水を使って料理をしてみましょう。調理道具や食器、もちろん手も洗えないので、フライパンにはアルミホイル、お皿にはラップ、食品を手で持って食べるときにはビニール手袋(粉が付いていないもの)をはめて食べるなど工夫します。

次に、リビングで寝てみましょう。いつもの寝具はガラスの破片などが飛散して使えなかったり、余震で建材のカケラが落ちてくる可能性があるので、ワンタッチテントや寝袋がオススメです。実際にリビングの床で寝てみると、「床が硬くて眠れない」など、具体的な気付きがあります。

たくさん種類のある防災用品選びも、実際に被災体験をすると「何が必要か」を実感でき、効率よく揃えることができます。また、同じ防災用品でもいろいろなタイプがあります。キャンプを重ねて試しているうちに、ご家族それぞれの視点で使いやすいもの・家族に合うものが分かってきます。

キャンプの時間は3時間以上がオススメ。1回はトイレに行きたくなる長さです。すべてのライフラインを止めるのはハードルが高いという人は、「電気だけ」など、部分的に試してみましょう。

わが家でも3カ月に1回ぐらいの頻度でキャンプをやっていますが、楽しさもあるので子どもは大喜び。ぜひ、夏休みなどを利用して家族で「おうちDEキャンプ」を体験してみてはいかがですか?

国崎 信江さん

危機管理教育研究所代表

国崎 信江さん

文部科学省の防災科学技術委員会など、
国や自治体の防災関連の委員を務める防災のプロフェッショナル。