連載旬の一品 ニッポンの美味しい郷土料理

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牡蠣めし 宮城県気仙沼・唐桑地方

「炊き込みご飯」や「混ぜご飯」は、かつてお米が貴重だった時代、麦や野草、大根などを混ぜてかさを増した日常食の「かて飯」がその起源と言われています。しかし牡蠣の産地の「牡蠣めし」は、牡蠣の旨味がより一層味わえる「ハレの日」の郷土料理として伝わってきました。

私が牡蠣めしのおいしさに目覚めたのは、植林運動「森は海の恋人」で知られる宮城県唐桑地方の牡蠣との出会いがきっかけです。豊かな森の栄養が海に流れ込み、植物プランクトンが豊富な漁場を作りだします。そこで育まれた牡蠣は、通常の2倍もある大粒の身が特長です。東日本大震災のあと、「もまれ牡蠣」というブランド牡蠣として有名になりました。

濃厚な牡蠣の煮汁で米を炊き、煮汁を煮詰めてご飯にかけまわす。さらに胡椒をひとふり。プリプリとした牡蠣の食感と芳醇な香りが楽しめる、冷めてもおいしい郷土料理です。

冬木 れいさん

料理研究家

冬木 れいさん

料理研究サロン「大きな竃」を主宰。地方食材を中心にレシピや商品開発も数多く手がける。 ウェブサイト「ゼクシィ・キッチン」で公開中の全国郷土鍋動画レシピも好評。

牡蠣めし宮城県気仙沼・唐桑地方

●材料●(2〜3人分)

■米・・・2合

■加熱用牡蠣・・・1袋(むき身150g〜250g)

┌ ・水・・・500cc

[A]・醤油・・・大さじ2

└ ・酒・・・大さじ2

■砂糖・・・小さじ1

■太白ごま油・・・大さじ1

■胡椒・・・適量

●作り方●

① 牡蠣のむき身は、塩水(水1ℓに小さじ1と1/2の塩を加える)の中でさっとふり洗いをしてから、ザルに上げる。といだ米を30分〜1時間浸水させ、水切りしておく。

② 鍋に[A]を入れて煮立て、その中で牡蠣を2分~3分ほど下ゆでし、火が入り身がぷっくりと膨らんだら取り出す。煮汁は冷ましておく。

③ 炊飯器に、米、②の冷ました煮汁を入れて炊く。このときの水加減は通常の白米と同じ。

④ 炊きあがったら火を通した牡蠣の身を戻し入れ、蓋をして5分ほど蒸らしてから、さっくりと混ぜあわせる。

⑤ ②の残った煮汁(200cc程度)に砂糖を加え、半量に煮詰めてから火を止める。油はねに気を付けながら、熱した太白ごま油を煮汁に加え、牡蠣めしのかけ汁として添える。