マンション犯罪に対応する"力"対犯力を、高める。

赤嶺 登士 株式会社東急コミュニティー 関西事業部 マンション営業部 品質サービス課 調査役

PROFILE 赤嶺 登士 株式会社東急コミュニティー 関西事業部 マンション営業部 品質サービス課 調査役

1968年より大阪府警に奉職後、生活安全(防犯)の啓発ひと筋に40年以上を勤め上げ、2010年4月から東急コミュニティーへ。防犯の専門家として、防犯セミナーやマンション防犯診断、各種講演などを通じて、マンションの犯罪防止と「対犯力」向上のための提案や啓発活動に精力的に取り組んでいる。

一般に戸建てに比べて、犯罪に対する安全性が高いのがマンションのメリット。
しかしそれでも犯罪がないわけではありません。
侵入などの犯罪被害に遭わないためにはどう対処すれば良いのでしょうか。
東急コミュニティーの防犯担当者が「対犯力」を高めるアドバイスをします。

マンションはセキュリティが高い?

マンションは確かに戸建てに比べて犯罪被害は少ないと言えます。実際に警察の統計で見ても、戸建て住宅と比べるとその被害は半分程度だと思っていいでしょう。また土地の有効活用を目的に、近年は高層マンションの比率が増えていますが、こうした高層マンションは低層のマンションに比べ、より被害が少ないという傾向もあります。

いずれにしてもマンションは一般的にセキュリティが高いと言えるのですが、その主な要因は、戸建てに比べて外部からの侵入個所が限定されている点にあります。つまりエントランスやベランダなど、限られたポイントに絞った対策が容易だということです。

侵入窃盗の発生場所別認知件数

侵入窃盗の発生場所別認知件数

ただし、だからと言って油断は禁物。マンションでも犯罪が起きているのは事実ですから、安心して暮らすためには、マンションのこうしたメリットを生かした対策が必要なのです。

犯罪に遭うということは、物的・金銭的な損害はもちろん、心理的なダメージも大きいものです。犯罪に遭わないよう、犯罪者が避けるような住まいをつくり上げていくことがまず大切なのです。

↑ページの先頭へ

マンション被害における主な侵入個所は?

マンションへの主な侵入経路

マンションへの主な侵入経路

データから見ても、マンション犯罪の特徴としては、ベランダなどのガラス部分からの侵入が多いことが挙げられます。ガラスを破り、クレセント錠を外して侵入するわけです。

それと玄関。ワンロックのドアなど、セキュリティ上見劣りのするような玄関はやはり狙われやすい傾向にあります。

こうした侵入に対して即効性の高い対策にはツーロックがあります。従来の錠に加えてもう一つ錠を取り付ける方法です。また玄関からの、サムターン回しやバールなどでのこじ開けによる侵入を防ぐ意味ではドアガードなどの設置もお勧めできます。

次に窓やベランダのガラスには防犯用フィルムなどが簡単で効果的。万一ガラスを割られても犯人の侵入を困難にします。

侵入窃盗の発生場所別の侵入口

侵入窃盗の発生場所別の侵入口

新築のマンションではあらかじめ防犯対策が施された物件が増えてきていますが、既存のマンションでこれらの対策を行っているご家庭は、私の経験からすると、まだ半分にも満たないのではないでしょうか。マンション内に被害が出てから慌てて対策をするケースもありますが、まず被害に遭わないことが最重要であるのは言うまでもありません。

↑ページの先頭へ

マンションの防犯は、外部に開かれた個所を限定することから。

ではマンションの優れたセキュリティ性をより有効に生かすためには、どうしたらいいのでしょう。その原則は、住民が出入りする個所を少なくしておくことです。

たとえば、住民の利便性のために夜間も駐輪場を開放しているマンションなどがありますが、『対犯力』の面から言えば、これは大きな弱点です。住民が出入りしやすいということは、マンション外からの出入りも容易になることを意味します。

利便性と『対犯力』のバランスをどこで取るかは、マンションごとに異なりますが、まずはこうした弱点への危機意識を持つことが重要です。

窃盗の時間帯別発生件数

窃盗の時間帯別発生件数

↑ページの先頭へ

おすすめコンテンツ