特集「大規模修繕工事」を知る!

マンションにお住まいの多くの方は、大規模修繕工事という言葉をご存じのことでしょう。
しかし、いざご自分が住んでいるマンションが大規模修繕工事に直面すると、工事の具体的な方法、工程、工事期間中の暮らしなど、実は良く分からないことばかり…。
今号の「暮らしの窓」では、「大規模修繕工事とは何か?」から「工事中の生活のご注意」など、「大規模修繕工事」のポイントをまとめてみました。

マンションの資産価値を維持するための重要なお手入れ。それが「大規模修繕工事」です。

頑丈なイメージのあるマンションですが、長年にわたって紫外線などを浴び続けると屋上や外壁などは徐々に劣化します。そして傷んだ場所をそのまま放置すると、そこから雨水が浸入するなど、さらに劣化は早まります。
一般的に、このような劣化が目立つようになるのは、築10年を経過した頃からとされ、国土交通省のガイドラインでもマンションの大規模修繕工事を12年ごとに行うよう推奨しています。
大規模修繕工事を先延ばしにして管理組合の大切な資金を節約すれば…。というお考えの方もいるかもしれません。
しかし、それで放置した不具合部分が原因となり致命的な損傷が発生する危険性が高まることを考えると、必要なタイミングでしっかりお手入れをすることが重要となります。
大規模修繕工事は、マンションの寿命を長くするだけでなく、マンションの資産価値向上にもつながる大切なものです。

大規模修繕工事の主役は、私たち区分所有者と居住者、そして管理組合です。

区分所有者・居住者の要望で大規模修繕工事の内容を決定!

多くの場合、大規模修繕工事の検討は、管理組合内に専門の委員会を設置して行われます。委員は区分所有者・居住者で構成され、その中に建築の専門知識のある住民の方が加わったりしています。
マンションの区分所有者としてしっかりチェックし、マンションの資産価値の維持・向上を考えましょう。

ポイント
  • 大規模修繕工事の主体は、区分所有者・居住者
  • 住民へのアンケートなどにより、工事内容を決定!
  • 大規模修繕工事の費用の目安は、100万円×戸数(初回大規模修繕工事の場合)
  • 業者選定は、金額だけでなく、総合的な視点で慎重に!

まず工事内容を確認。説明会には必ずご出席ください。

大規模修繕工事が始まる際には住民への説明会が開かれます。必ず出席して、施工場所・工事内容・工期などを確認しておきましょう。
また、事前に工事の総合案内書を配布する管理組合もありますので、これにもしっかり目を通して保管しておいてください。
大規模修繕工事は、構造部分の補強・修繕、外壁や屋根の施工、排水などの水まわり、電気関係・塗装関係など、さまざまな工事がスケジュールを調整しながら進められていきます。
毎日、作業スケジュールが微調整されますので、マンションの掲示板などに掲示される最新の「施工スケジュール」や「生活上のご注意」などを欠かさず確認することが必要です。

居住者の皆さまに「自分のこと」として協力していただくことが、
大規模修繕工事を成功させる最大の近道です。

施工中は環境も一変。
安全で快適な暮らしを維持するために、知っておくべきことがあります。

大規模修繕工事の対象は、共用部分のみ。

各戸に配布される工事案内には、施工箇所・内容、スケジュールなどの他、生活上の諸注意なども記載されている。 毎日、各部署の代表者が集まり工程調整を行う。その結果に伴い、最新の生活情報が掲示板などを通じて住民に案内される。

マンションには住民全体で共有する共用部分と、個人の所有である専有部分があります。このうち大規模修繕工事の対象となるのは共用部分だけとなります。
この共用部分と専有部分の線引きが意外に難しいので、もう一度整理しておきましょう。
例えば、玄関ドアの通路面は共用部分、室内面の塗装部分は専有部分です。大規模修繕工事で玄関ドアの通路面などを塗装することがありますが、塗られるのはドアの枠と外側部分だけで、内側は個人負担となる場合があります。
また、窓サッシやバルコニーも共用部分となり、工事対象に含まれます。
大規模修繕工事の対象となる共用部分には次のようなものがあります。

大規模修繕の対象となる身近な共用部分
● 階段・通路
● 玄関ドア(外側)
● 窓サッシ
● ベランダ、バルコニー
● 駐車場・駐輪場など

玄関ドアの通路面やバルコニーも工事対象箇所。植物などを置いている場合は、他の場所に移動します。

工事中は安全第一。セキュリティーも忘れずに。

マンション管理組合が設置した監視カメラ。部外者の出入りを監視し、安心度を高めている。 工期中は、作業員専用の通用口(施錠)と、センサーなどが設置される。

工事が始まると、工事の内容によって、普段、使っている道路でも通行止めとなる場合があります。
また、期間中は、落下物が発生する危険性もゼロではありません。マンション内を歩く際には十分にご注意ください。
さらに、危険な場所へ立ち入らないなど、お子さまと「大規模修繕工事中の安全ルール」を確認して万全を期しておきましょう。
いずれも大規模修繕工事が安全に進行することを考えたものですから居住者の皆さまのご協力が不可欠です。
また、これから大規模修繕工事に取り掛かるマンションの管理組合と居住者の皆さまにぜひ検討していただきたいのが施工中のセキュリティー。
足場が組まれ、多くの人が出入りする施工期間中には、マンションの住民や工事関係者以外の部外者が敷地内に立ち入りやすくなります。
工事現場の通用口の施錠管理、センサーの設置などによる不審者のチェックも考えましょう。
今回、撮影にご協力いただいたマンションの管理組合でも、工事期間中のセキュリティーを考えて要所に監視カメラを設置していました。

大規模修繕工事中でも快適な暮らしを実現!

大規模修繕工事期間中は、工事内容に合わせて施工会社から住民の皆さまへ色々なお願いをすることがあります。また、安全対策とスムーズな工事進行のために一時的に生活上の制限をお願いすることがあります。
このような場合には施行会社から情報提供がありますので、施工会社が発信する情報を見落とさないようにして、少しでも、安全で、快適な暮らしを実現できるように考えて暮らしましょう。
最後に大規模修繕工事期間中の暮らしのポイントを整理しておきます。

大規模修繕工事期間中の暮らしのポイント
  • 足場の組み立て・解体の際には騒音が発生しますのでご容赦ください。
  • 足場付近は大変危険です。お子さまなどが絶対に近づかないようにご注意を!
  • 足場を使って空き巣などが侵入する危険もあります。窓やサッシは必ず施錠するようにしましょう。
  • プライバシーの保護対策として、カーテンは閉めるようにお願いします。レースのカーテンを閉めるとベランダ側からは見えにくくなります。
  • 工事が始まると洗濯物の外干しの制限をお願いする場合があります。干すのが可能か掲示する場合もありますので小まめにチェックをしましょう。
  • ベランダ、バルコニー、専用庭などにある植木、プランター、物置き、BS・CSなどのアンテナも撤去が必要となります。
  • ベランダ、バルコニーにエアコンの室外機が設置されている場合は使用を制限される場合があります。
  • 網戸は、工事が始まる前にご自身で撤去して、工事期間中は保管していただくことになります。
  • 塗装工事の際には、ビニールなどで窓を覆うことがあります。玄関を開けるなど、換気のための工夫をお願いします。
※上記は一般的な注意事項やお願いです。個々のマンションや工事内容により異なります。

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