マンションで過ごす
安心 被災生活。

いつ起こるかわからない巨大地震。
マンション住まいだからこそ気をつけておきたいこと、そして今すぐできる防災アクションを特集します。

地震発生時、いざ避難所へ向かおうとしても、耐震性の高いマンションにお住まいのあなたは、
避難所に入ることができないかもしれません。
そこで大切になってくるのが“マンション内被災生活”への備えなのです。
紙面で紹介しきれなかった「日々の暮らしの中で無理なくできる防災アクション」も掲載しています。

避難所に入れない!?
マンション内被災生活とは……

 もしも巨大地震が発生したら……自宅近くの避難所に入り、狭いスペースで家族と肩を寄せ合いながら、炊き出しなどの援助を受けて被災生活を送るのだろう。漠然とそう思っている方は多いと思います。しかし、マンション住民の方は震災時、避難所ではなく自宅マンションで過ごす”マンション内被災生活“が予想されることをご存知でしょうか。
 実は全国的に見ても避難所の数は足りておらず、周辺住民が全員、避難所に入るのは難しいのが現状です。基本的に避難所は、戸建てなどに住んでいて全壊、半壊してしまい、自宅で生活できない人が優先されます。もちろんマンション住民でも、火災発生など住み続けることが困難な場合は避難所で生活するしかありませんが、耐震性が高く、巨大地震でも損壊する可能性が低いマンション住民は、自宅で過ごすことが想定されるのです。
 こう言うと、「避難所に入れないなんて不安だ……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、準備さえ十分にしておけば、マンション内被災生活のほうが、精神的にも身体的にも負担が少ないとも言えるのです。

しっかりと備えれば
マンション内被災生活は安心

 実際、熊本地震の場合には、災害関連死による死者が直接被害による死者の3倍にも及びました。これは、災害による負傷の悪化のほか、避難生活による心身への負担も原因とされています。
 例えば、衛生面。狭い避難所で窮屈な生活を余儀なくされたり、衛生対策が万全ではない状態で病気が蔓延したりというリスクがあります。トイレを利用しようとしても数が足りず、長い行列に並ぶことを避けようと、水分の摂取を控えてしまうことが、さまざまな病気を引き起こすケースもあります。また、避難所近くでの車中泊避難も、二次的災害要因の一つ。車中泊はプライバシーが守られる半面、エコノミークラス症候群のリスクが高まったり、ガソリン節約のためにとエンジンを切って生活をすれば、熱中症や脱水症状をおこしたり、といった危険性も高まります。
 このように、避難所で生活することが、必ずしも安心、安全であるとは言い切れません。マンション内被災生活を送るための準備さえできていれば、特に小さなお子さんや年配の方がいるご家庭では、住み慣れた自宅で過ごすほうが安心、安全であるとも言えるのです。
 では、マンション内被災生活を想定した場合に何が最も重要かといえば、自らを守る備えです。室内の安全対策や、水や食料、生活必需品の備蓄など、自分の命を自分で守るための準備が必要になってきます。備蓄に関しては、自宅に置ける量などを考慮しながら、目安としてまず1週間、その間を乗り切る備えをしておくことが重要です。
 あなたのご家庭ではその備えができているでしょうか。下記ページでチェックして、今すぐに防災へのアクションを始めましょう。

自宅の防災用品として何を備えていますか?
(暮らしの窓・3月号アンケートより)

 

マンション内被災生活に欠かせないのが備蓄。あなたのお家にはどんなものが備えら
れているでしょうか。どれも備えていない……という方は今すぐ備えましょう!

和田隆昌さん

災害危機管理アドバイザー

和田隆昌さん

「防災士」資格を持つ災害・危機管理問題の専門家。主な著書に『まさか我が家が!?』(新潮社)があり、全国で講演活動も行っている。

今すぐできる防災アクション

何から手を付けていいかわからない!という方のために、
今日からできる防災へのアクションをご紹介します。

step-1

あなたのマンションは大丈夫?
安全対策のチェックをしよう

 あなたの住まいの備えは万全か、まずはこの3点をチェックしてみましょう。
① 家具の固定はしていますか?
室内の被災で多いのが家具の転倒による事故です。また、被災後の生活を考えた際、大きな家具が転倒したままでは生活スペースが狭くなるだけでなく、けがなど二次災害につながる恐れもあります。家具の固定は必ず行うようにしましょう。さまざまなタイプの商品がありますが、小さな地震の繰り返しで緩みやズレが生じるので年に1、2回は点検してください。
② 火災対策はできていますか?
室内が火災被害にあえば、マンション内で被災生活を送ることは難しくなります。消火器はすぐに使えるものとして住宅用のものを準備しておくと安心です。火災発生場所となるキッチンの近くに小さめの消火器を設置し、いつでも使えるように準備しておくと安心です。
③ マンション全体の備えは把握していますか?
分譲マンションでは管理組合のほか自治会などが自主的な防災対策を行っているケースが大半です。まずはマンション全体の備蓄や防災マニュアルの確認など、対策の内容をチェックしましょう。避難訓練などにも積極的に参加することで防災への意識も高まります。
 災害発生時は住民同士の助け合いが命を助けます。普段からコミュニケーションを取り、互いの顔が見えるおつきあいが、いざというときの安心につながります。

楽しい防災訓練と、充実の防災資器材— メイフェアパークス溝の口 —

メイフェアパークス溝の口は、総戸数547戸、管理棟を含む7棟からなる大型レジデンスです。こちらの防災活動、他のマンションから見学者が訪れるほど、モデルケースの一つとして注目を集めています。

メイフェアパークス溝の口で防災活動を行う自主防災組織は、管理組合と、自治会であるメイフェアクラブとによって組織されています。「私が本部長、管理組合理事長の丸山信一さんが副本部長。そのほか50名ほどで編成されています」と教えてくれたのは、メイフェアクラブの会長を務めて7年目の石塚俊美さん。石塚さんは自治会長としてマンション内のコミュニケーションを主導するだけでなく、近隣との関わりや川崎市、高津区とのパイプ役にもなっています。

月に1回行われる理事会が、活動のベースです。こちらのマンションでは防災資器材・備蓄品が、各棟に設置された防災倉庫に保管されています。管理組合予算の中からどんな防災用品を準備するべきか、今ある課題やその対策は何なのかなどを定期的に話し合います。ちなみに、昨年完成した防災マニュアルは、1年がかりで作成。マンションがある川崎市高津区の情報を盛り込んだ、まさにオーダーメイドの一冊となっています。

また、年に1回の防災訓練では、メイフェアクラブの防犯・防災交通安全部長が主導して、住民が楽しんで参加できるように工夫。担当者は毎年変わるそうですが、「歴任されてきた方がマニュアルを作ってくださっているので、いつ何をするべきか、助けられながら行っています」と、二宮裕子現部長。積み重ねた経験がきちんと受け継がれていることも、住民全体の防災意識の高さにつながっているといえます。

最後に、マンションの防災担当者の方へアドバイスをいただきました。

「避難所に行かずマンション内で被災生活を送る場合、被災時の公助は受けづらいかもしれません。しかし、防災用品の購入補助など、平時だからこそ受けられる公助があります」(石塚さん)

「マンションの防災を担当される方は、一度、お住まいの地域の役所へ問合わせてみることをオススメします」(丸山さん)

  • 左から石塚会長、二宮部長、丸山理事長
  • 各棟に防災倉庫があります
  • エレベーター内に設置された防災キャビネット

step-2

本当に必要な
防災用品をそろえよう

食料や生活用品や医療品など、様々な種類がある防災用品。大切なのは、一人ひとりに適した防災用品を備えておくことです。女性の場合は生理用品、高齢者の場合はお薬や老眼鏡、赤ちゃんの場合はミルクやオムツ……など日頃から考えておくことが大切です。

また、水や食料といった備蓄は使いながら補充していくのがよい方法です。日々使うものを多めにストックしておき、順次使いましょう。防災用品は一度そろえたら永遠ではありません。冬ならカイロ、夏なら冷却用品など季節によって必要なものも違います。震災の教訓を思い出すという意味で、東日本大震災が発生した3月と、防災の日がある9月。年2回、中身を入れ替える習慣をつけるのも良いでしょう。

家族構成などにかかわらず、共通してマンション内被災生活で必要なものもあります。その一つが簡易トイレです。水洗トイレは浴槽などの水を使えると思っている方も多いですが、排水管の被害状況のチェックができるまでは使用できないと思っていたほうがいいでしょう。

マンションの中で、必要最低限、健康的な生活を行うために必要な防災用品に加えて、自分にあった備えをすることで、安心の被災生活を送ることができます。

くらしのもしもvol.9も併せてご覧ください。

とりいれたい

日々の暮らしの中にこそ「防災」を!

災害への備えは「一度準備したから大丈夫」ではありません。
生活環境や社会状況が変化すれば、備えもそれに対応していく必要があります。
そのためには「防災」=「特別なこと」として捉えず、日常生活の中で自然に意識することが大切。
特別に時間やお金をかけるのではなく、日々の暮らしの中で無理なくできる防災こそ、いざというときに自分の身を守ります。

  • 備蓄は日常品を上手に使って

    普段の「買い置き品」を上手に活用します。生活に必要な量よりも少し多めに買い置きしておき、使いながら補充していく「ローリングストック」という方法です。防災用の食材を買わなくても、 レトルトや缶詰、乾麺などを、日常生活で使いながら補充していけば十分です。特にパスタなどの乾麺は賞味期限も長く、レトルト食品を合わせて使うと色々な味が楽しめるので、飽きずに食べることができます。また、缶ジュースやハチミツなども長期保存できる食材です。 普段から食べ慣れているものなら調理も簡単ですし、いつもの味を口にすることで気持ちが落ち着くのではないでしょうか。普段の買い物から災害時のことを考えるようになれば、自然と防災の意識も高まります。今回ご紹介のイザメシシリーズもオススメです。

  • アウトドアグッズを活用して「防災キャンプ」を

    そもそもキャンプ用品は、電気やガスがない屋外で生活するためのもの。水道やガスが使えなくなった時には、キャンプ用の簡易コンロやランプなどが役立ちます。キャンプが趣味という方はもちろん、経験がない方も年に1度は家族で「防災キャンプ」をしてみてはいかがでしょうか。多めにストックしておいたレトルト食品で作る食事と、キャンプ用品を使った生活で「災害シミュレーション」ができます。調理にかかる時間や、生活に必要な水の量、簡易コンロを使う際のガスボンベの本数など、災害時をイメージした生活が実際に体験できます。

  • ペットの備えも忘れずに

    災害への備えで忘れがちなのが「ペットのための備え」です。人間と同じように、水や食料や排泄袋など生活用品は欠かせません。ドッグフードなど、ペット専用の生活用品も「ローリングストック」で使いながら補充しておけば、保管スペースを取らずに済むのでオススメです。

    また、災害時にはペットがパニックになって逃げてしまうこともありますので、名前や飼い主の連先を書いた「迷子札」も必要です。そして、日ごろから心がけておきたいのがペットのしつけ。犬の場合なら「待て」や「お座り」「伏せ」など、非常時にも飼い主の言うことを聞くように、基本的なしつけをしっかりとしておきましょう。

    【用意しておきたいペットのための備え】(一例として)
    フード、水(少なくとも5日分、できれば7日分)、予備の首輪・リードなど(伸びないもの)、食器、ガムテープ(ゲージの補修など多用途に使用可能)、飼い主の連絡先と飼い主以外の緊急連絡先、預かり先などの情報、ペットの写真(迷子になった場合に捜索用として)、ワクチン接種状況、ペットシーツ、排泄物の処理用具、トイレ用品、タオル・ブラシ、おもちゃ、洗濯ネット(猫の場合)
    ※環境庁「災害時におけるペットの救護ガイドライン」より

  • 住民同士のコミュニケーションを深める
    「防災イベント」

    マンションで被災生活を送る場合には、住民同士の助け合いが不可欠です。エレベーターや水道、ガスなどの復旧状況の連絡や、具合が悪くなっている人はいないかなど、声を掛け合って安否を確認することが大切です。

    しかし、マンションによっては、住民同士がコミュニケーションを取る機会が少ないこともあります。自治会で開催する防災訓練や説明会などで、「参加者が集まらない」という声もよく聞きます。全員が高い意識を持つというのは、簡単なことではありません。住民一人ひとりに防災について考えてもらうための方法の一つとして、会議のようなスタイルではなく、レジャー感覚で参加できる防災イベントを開催するという方法があります。防災に関連するグッズのフリーマーケットを開催してみたり、子どもが主体で楽しめる「バケツリレー」などゲーム感覚で楽しめるものを企画してはいかがでしょうか。

「非常用持ち出し品」と
「備蓄用品」を一緒に
していませんか?

火災の発生や建物の損壊など、マンション内で被災生活が送れない場合は避難所で過ごすことになります。その際に必要なのが「非常用持ち出し品」です。

あくまで避難所での生活を想定し、災害時にさっと持ち出して持ち歩くのが非常用持ち出し品です。したがって大量の水や食料、コンロなどは必要ありません。持ち出し品はできるだけコンパクトにしておくことが大切です。軍手やマスク、医療品、携帯ラジオ 、電池、現金、貴重品、旅行用の洗面用具などがあれば十分です。避難所でしばらく生活することを考えて、持病の薬なども入れておきましょう。普段からリュックなどに入れ、一人ずつ用意しておくと安心です。

保管場所は玄関先など、手に取りやすく出入り口に近い場所に置いておくのが鉄則です。「防災セット」として備蓄用品と一緒に保管しているご家庭も多いようですが、それではいざというときに持ち出しにくくなってしまいますので、別々に保管することをオススメします。

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