特集Ⅰ

地震が発生したら……
適切な対応で身を守ろう!

寝室やキッチン、エレベーターなど、
マンション内で地震に遭遇した際の
適切な対応をご紹介。

日本列島は、「地震列島」――。
この表現が大袈裟ではないほど、日本列島では大小さまざまな地震が起きています。
いつ、どのようなタイミングでやってくるのか予測できない地震に備えて、
すぐにできる「命を守る準備と行動」をご紹介します。
自分と大切な人の命を守るために、まずは正しく知識を深めましょう。

家族みんなで「安全ゾーン」を確認

携帯電話やテレビなどに届く「緊急地震速報」。夜中にアラート音が鳴って、数秒してからガタガタと揺れ始める、そんな突然の地震に驚いたことがある方も多いでしょう。緊急地震速報は、地震直後に発生する特別な初期微動を感知して発表されるものです。速報を聞いてから実際に大揺れになるまでの数秒間に「安全ゾーン」へ移動して、身の安全を確保しましょう。

安全ゾーンとは、転倒物や落下物が少なく、人が閉じ込められない場所のことをいいます。マンションでの安全ゾーンは、家の中であれば、柱が多くて壊れにくく、すぐ外に出られる玄関。共用部分ではエレベーターホールが比較的安全です(ニュージーランドのクライストチャーチで起きた地震では、エレベーターホールだけ倒壊を免れたビルがありました)。

では、どうして安全ゾーンへ移動することが大切なのでしょうか? その理由は、室内に閉じ込められて避難経路が絶たれてしまうことが最も危険だからです。地震の揺れによってドアが変形して開かなくなってしまうと、ガス漏れや火災が発生したときに逃げられなくなってしまいます。普段から安全ゾーンを意識し、緊急地震速報や小さな揺れを感じた場合はただちに退避しましょう。

もしも緊急地震速報が間に合わずに大きな揺れが起きた場合は、クッションやカバンなど、身近にあるもので頭と首筋を守って体を丸めてしゃがみ込みます。落下物があった場合でもしゃがんでいたほうがダメージは少なく、立ったままの状態と比べると3分の1の被害に抑えられるというデータもあります。

安全は準備に比例する

万一に備えて、地震が起きたときすぐに避難できるようイメージトレーニングを行い、普段から防災対策をしておきましょう。

例えば、夜間に停電が起きれば暗闇の中で安全ゾーンまで移動することになります。そういった非常時にスムーズに避難できるよう、避難経路の整理整頓と家具の固定を行い、ガラスには飛散防止フィルムを貼ります。

また、とっさの判断でも避難経路が分かるように、足元照明や蓄光テープで目印を作ることも大切です。寝室の枕元には、スニーカー(または、丈夫なスリッパなど)と、衝撃から頭を守るヘルメットがあると良いでしょう。

さらに、大きな災害ではインフラの復旧に1週間はかかるといわれていることから、最低1週間分の水と食料の備蓄をしておきましょう。非常用食品にこだわることなく、普段日常で使っているインスタント食品を多めに用意することも、災害への備えになります。

安全・安心は準備に比例します。そして、すべての防災対策は事前対策です。試しに電気、水道、ガスのライフラインを使わずに生活する「在宅避難生活訓練」をやってみると本当に必要なものが分かります。事前の準備こそ、地震列島日本に住む私たちの作法だと考えます。

山村 武彦さん

防災・危機管理アドバイザー

山村 武彦さん

世界中で発生した250カ所以上の災害現地調査を実施し、その教訓を生かして防災に関わる提案・提唱を行う。企業や自治体などの防災・危機管理アドバイザーとして防災実務を支援する他、講演、テレビ番組出演、著書などを通じ、防災意識の啓発活動に活躍中。

地震だ!

そのときとるべき4つのアクション

  • 1. 避難経路を確保しよう

    家の中にいるときに地震が起きたら、安全ゾーンの玄関へ行き、ドアストッパーでドアが閉まらない状態をつくります。そして、靴を履き、危険と思ったら脱出します。

  • 2. 二次災害を防ぐ行動をしよう

    二次災害で怖いのが火災です。まずは身の安全が最優先ですので無理は厳禁ですが、目の前にコンロの火があればすぐ消します。離れていたら揺れが収まってから消し、元栓も閉めます。

  • 3. ご近所さんの安否確認をしよう

    「向こう三軒両隣」の精神を持ち、ご近所同士で安否確認を行いましょう。特に体の不自由な人、高齢者、妊産婦、乳幼児がいたら、ためらわずに声をかけて安否確認を。

  • 4. 家族の安否確認をしよう

    災害発生時は電話やメールがつながりにくくなり、離れた家族と連絡がとれないことも。緊急時の連絡手段や避難方法などを防災家族会議で話し合っておきましょう。

地震への備え&とっさの行動マニュアル inマンション

もしもマンションにいるときに地震が発生したら・・・。住まいのゾーンごとに、とるべき準備と行動を紹介します。
まずは正しい知識を身につけ、いざというときは落ちついて行動しましょう。

寝室
すぐに寝室から出られる準備を

眠っているときでもすぐに手が届く場所にヘルメットとスニーカー(または、丈夫なスリッパなど)を準備し、すぐに逃げられるようにしておきます。小さな揺れや緊急地震速報が鳴ったらすぐに安全ゾーンの玄関へ退避します。間に合わない場合は布団を被って頭を守り、揺れが収まるのを待ちます。

リビング
転倒物・落下物にご用心

家具や家電には転倒防止の家具固定器具を2カ所以上取付けておきましょう。窓ガラスには飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。フォトフレームや額に使われているガラス板も落下すると危険ですので、アクリル板の物に変えるか飛散防止フィルムを。地震が発生したときは安全ゾーンへ移動するか、移動する余裕がなければテーブルの下へ身を隠します。

ベランダ
避難設備の周りは整理整頓を

マンションのベランダに「避難はしご」や「隔て板」がある場合、災害時に備えて周囲に物を置かないことが大切。地震時にベランダに出ていたら、すぐに部屋の中に入り、間に合えば安全ゾーンへ。ベランダは、上階のベランダ天井に取り付けられているエアコン室外機が割れたガラスと一緒に落ちてくるなど、さまざまな落下物の可能性があり危険です。

エレベーター
最寄り階に降りてから避難する

緊急地震速報や小さな揺れを感じたら、すべての階のボタンを押してエレベーターを止め(地震時管制運転装置が設置されているエレベーターの場合は自動的に最寄り階に停止します)、エレベーターから脱出します。もし、閉じ込められた場合は、エレベーター内にある非常通信装置で外部へ連絡し救助を待ちましょう。

お風呂・トイレ
すぐにドアを開けて逃げる

お風呂やトイレは、出入り口が一カ所しかなく、しかも密閉性が高い場所ですので閉じ込められてしまう可能性もあります。比較的安全だといわれていた場所ですが、ドアが変形してしまうと避難経路がなくなり危険。まずはドアを開けてすぐに逃げられる準備をします。もしドアにガラスを使用していたら、事前に飛散防止フィルムを貼っておきましょう。

キッチン
家の中でも物が多く危険な場所

キッチンは冷蔵庫や調理家電など物が多いため、転倒物•落下物のリスクが高いゾーンです。冷蔵庫が倒れて逃げ道を失ってしまうこともあるので、固定器具を付けて対策をとりましょう。キッチンで地震の揺れを感じたら、すぐに安全ゾーンへ向かいましょう。火を使った調理中に地震が発生した場合、揺れているのに慌てて火を消そうとするとケガの原因になります。無理をせず、まずは身の安全を確保しましょう。

知っていますか?

災害用伝言ダイヤル171の使い方

地震や噴火などが起きたときに、被災地への通信が増えてつながりにくくなることがあります。そのような非常時に使えるようになる声の伝言板が「災害用伝言ダイヤル171」です。

実際、総務省の発表によると、東日本大震災発生の直後、携帯電話事業者によっては50~60倍以上の通話が一時的に集中するなど、長時間にわたり電話がつながりにくい状態となりました。いざというとき、より早く確実に家族の安否を確認するためにも、「災害用伝言ダイヤル171」を利用してみてはいかがでしょうか。

NTT東日本・NTT西日本の電話回線からは通信料無料で利用でき、体験利用をすることもできます。詳しくはNTT東日本・NTT西日本のホームページをご確認ください。

NTT東日本ホームページ https://www.ntt-east.co.jp/

NTT西日本ホームページ https://www.ntt-west.co.jp/