特集Ⅱ

秋こそハイキングで
心も体もリフレッシュ

いよいよ紅葉が美しい季節。
山と自然の達人にハイキングの楽しみ方とおすすめスポットを伺いました。

いよいよ紅葉が美しい季節を迎えます。
日本列島は、山々が連なり標高差があるため、
9月下旬から約3カ月間、山から里へと場所を変えて紅葉を楽しむことができます。
今回は、ネイチュアリングスクール木風舎代表の橋谷晃さんに、
ハイキングの楽しみ方と秋のオススメスポットを伺いました。

ハイキングで心と体の健康を!

私は世界中の山々を歩いてきましたが、「日本列島の紅葉は世界一」だと自信を持っていえます。赤・黄・橙・朱色と鮮やかに彩られた葉が描きだす風景は、実は世界各地の紅葉を見渡してもあまり存在しません。一生のうちに見ておくべき風景といっても過言ではない「日本の紅葉」を訪ねて、この時期にこそハイキングに行くことをオススメします。

そもそもハイキングは、心と体に良いことが大きな魅力。自然が織りなす美しい風景を見るだけでリフレッシュになりますし、森林の中にいるとストレスホルモンの濃度や血圧、脈拍などが低下しリラックス状態になることが科学的にも証明されています。また、ハイキングは息の上がらない適度な運動量で歩き続けるため、有酸素運動となり、脂肪燃焼にも効果があります。他のスポーツと違い競争するわけではないので、自分に合った無理のないコースを選んでゆっくりとしたペースで歩けば、年齢を問わず楽しむことができます。

きちんと準備をすれば、
ハイキングはもっと楽しめる

手軽に始められるハイキングですが、事前にプランニングと必要な道具を備えることで、より楽しいアクティビティになります。

●プランニング:距離・高低差・所要時間・道の分岐点などを把握

まずは、自分が行きたいと思っている場所をよく調べることです。どのくらいの距離があるコースなのか? 高低差は? 所要時間は? 道の分岐点は? これらを知っておくことで、体に無理なく楽しくハイキングをすることができ、さらに、遭難の一番の原因となる「道迷い」をほぼ防ぐことができます。コースを選ぶ際は特に高低差を重視してください。体力への影響は、距離よりもむしろ高低差のほうが大きいからです。初心者であれば、最大でも400~500メートルの高低差に収めましょう。コースの所要時間は、ハイキングマップ等に記載されている「参考タイム×1.5倍+1時間(昼休憩)」を目安にしてください。秋以降は日没が早いので、丸一日歩ける時間があったとしても4時間以内に収まるコースを選びましょう。

●初心者こそ道具に頼る:シューズ・リュック・雨具・地図・コンパス

初心者こそ、ぜひ道具に助けてもらいましょう。トレッキングシューズとリュックは、アウトドア用を使うことで体への負担が軽減されます。雨具は、台風や豪雨時の通勤などでも使用できるおしゃれなウェアがたくさんあるので、持っていて無駄になりません。そして、地図とコンパスは飲食料と同様、必須の持ち物です。山道に細かく案内看板が整備されているわけではありません。地図だけだと方角が分からなくなりますから、必ずコンパスとセットで持参してください。

ハイキングは、心を豊かにする時間

ハイキングは、長い距離を歩くことや、ゴールに到着することが目的ではありません。プロセスを楽しむものです。歩いている最中に草花をめでる、木々や空気のさわやかさを感じる。余裕を持って歩くからこそ感じられる、さまざまなことをぜひ楽しみましょう。歩いた距離や到着したという結果よりも、こんな幸せな気持ちになれたという心の豊かさに価値を置いて、ぜひ紅葉を楽しむハイキングスポットに足を運んでいただけると嬉しいです。

立山黒部アルペンルート
(富山県・長野県)

9月下旬が見頃

北アルプスを貫き、富山県と長野県を結ぶ立山黒部アルペンルート。バスやケーブルカーなどを乗り継ぎ標高2,450メートルまで登ることができます。スニーカーでも楽しむことができ、初心者でも安心のハイキングスポットです。

橋谷さんオススメ

スニーカーでもOK!
初心者向け
ハイキングスポット

橋谷 晃さん

上高地(長野県)

10月が見頃

ほぼ平坦な土地をハイキングできるスポットです。梓川の清流沿いを歩きながら見る穂高連峰の山々は、日本一美しいと思っています。観光地として有名な「合羽橋」から1~2時間歩いて、幻想的な風景の大正池や明神池までの道のりもお楽しみください。

橋谷 晃さん

山の辺の道(奈良県)

11月が見頃

「山の辺の道」は古事記に登場し、日本最古の道といわれています。ハイキングコースは奈良県桜井市から天理市まで続き、里の風景や古墳、日本最古の大神神社など、ハイキングを盛り上げるスポットが満載です。紅葉も美しい古道をゆっくりと味わってください。

橋谷 晃さん

ネイチュアリングスクール 木風舎
代表

橋谷 晃さん

自然を楽しむ山歩きを提案し、山と自然のガイドを行っている。トレッキングとネイチャースキーの分野ではパイオニアとして知られ、テレビや講演でも多数活躍する。NPO法人自然体験活動推進協議会理事、(公社)日本環境教育フォーラム認定自然学校組織運営者、(公社)日本山岳ガイド協会公認ガイドなどを務める。